こんにちは。とある(@toaru_10R)です。
パソコン用のディスプレイは何を基準に選んでいますか?
私がディスプレイを選ぶ時の基準は、以下の記事で少し触れています。
最優先事項として「IPS液晶」であることを挙げていますが、そもそもIPS液晶って何なの?と言う人もいると思うので、今回は私がディスプレイを選ぶ時の判断基準としている性能や機能を、用語の解説も含めて記事にしてみました。
目次
液晶パネルの種類
液晶パネルには大きく分けてTN方式・VA方式・IPS方式の3種類があります。
各パネルの特徴とメリット・デメリットについてここでは見ていきます。
TN方式
一番のメリットは値段が安いことですね。応答速度も速いため、スポーツ観戦やゲームに向いています。
ただし、視野角が狭いので大型ディスプレイや複数人で見ることには向いていません。上の写真は実際に私が使っているTN方式のディスプレイですが、斜めから見ると色が変化していることが分かると思います。
こちらは上から見た写真です。グレアパネルなので光っていて分かりにくいかもしれませんが、こちらも色味が変化しています。
メリット
- 値段が安い
- 省電力(発光効率が高い)
- 応答速度が速い
デメリット
- 視野角が狭い(見る角度により色合いが変化する)
- 色再現性が低い(正確な色味ではない)
VA方式
全体的にTN方式より性能が良いですが、IPSと比較すると視野角が狭いのがデメリットでしょうか。単純にパネルの特徴だけで見れば一番性能は良いかなぁと。ただ、他方式のパネルと比べて製品が少ない気がします。
メリット
- TN方式よりも視野角が広い
- TN方式よりも応答速度が速い
- TN方式よりも色再現性が良い
- コントラストが高い
デメリット
- IPS方式よりも視野角が狭い
IPS方式
他の方式と比べ視野角が圧倒的に広いですが、値段がちょっと高いです。
上の写真をTN方式の写真と見比べてみてください。こちらはグレアパネルではないので比較対象としては微妙なのですが、色の変化は少なく見えると思います。
上から見ても色の変化はほとんどありません。
ここまでで「ん?視野角しか良いとこないんじゃ?」と思うかもしれませんが、個人的にはIPS方式が1番おすすめです。
メリット
- 視野角が広い
デメリット
- 応答速度が遅い
- コントラストが低い
- 値段が高い
実はデメリットをカバーする機能があります。
応答速度についてはオーバードライブという機能を有効にする事で、5ms以下の応答速度になる製品があります。また、コントラストについても拡張機能を有効にする事で、5000:1と言った高コントラストを実現しています。
もしパネル選びに迷った場合、特にコレ!と言うものが無ければIPSパネルを選んでおけば汎用的に利用する事ができるのでおすすめです。
光沢・非光沢について
グレア・ノングレアと表記されている場合もあります。ちなみに半光沢(ハーフグレア)と言うものもあります。これはグレアとノングレアを足して2で割ったような特徴を持っているため、今回は半光沢には触れずに光沢・非光沢について書いていきます。
光沢(グレア)
蛍光灯の光が反射したり、人や物が映り込んだりするので画面が見にくくなることがあります。特に暗い(黒い)画面の時に気になることが多いです。上の写真は先ほどTN方式の項目で出てきたディスプレイですが、実際に室内の様子が写っているのが分かると思います。
色が鮮やかに見えるため、写真や動画などを見る事に向いていますが、その分、目が疲れやすいのが難点です。
メリット
- 色が鮮やかに見える
デメリット
- 光の反射や映り込みが発生し、画面が見にくくなる事がある
- 目が疲れやすい
非光沢(ノングレア)
光の反射や映り込みはほぼ無いが、色が鮮やではない(グレアと比べてなんとなくぼやけた感じ)ので、映画とか見ると迫力に欠ける気がします。上の写真は先ほどIPS方式の項目で出てきたディスプレイですが、グレアパネルと違い室内の様子はほとんど写っていません。
長時間見ていても目が疲れにくいので、ブラウジングやプログラミングなどオフィスワークに向いています。
メリット
- 光の反射や映り込みがほぼ無いので、画面が見やすい
- あまり目が疲れない
デメリット
- 色が鮮やかではない
この項目については完全に好みのため、実物を見て決めれば良いです。個人的にはデュアルディスプレイ環境を構築しているため、グレアとノングレアを1枚ずつが良いとは思っています。
サイズと解像度
サイズについて
ディスプレイのサイズは置く場所やディスプレイの枚数など、各個人の都合があると思うので、一概にどの位のサイズのものが良いかは言えません。個人的には最低でも21インチ以上は欲しいです。WQHDなら27インチ以上は欲しいですし、4Kなら42インチ以上は欲しいです。
特に4KディスプレイでPiPやPbP機能があれば、1枚の画面で複数の入力を同時出力する事が出来るようになります。4Kで42インチならFullHDの21インチ4枚と同じ作業領域になるので、もし4Kディスプレイを購入する場合は、FullHDでどの位のサイズが欲しいかを考えてその2倍のサイズにする。と言った考え方でも良いと思います。
ディスプレイアームを使う人は重さにも注意
サイズが大きくなることに比例して重さも増えていきます。普通に使う分には重さを意識する事はありませんが、ディスプレイアームを使っている人はサイズと共に耐荷重も影響してきます。
既にディスプレイアームを使っている人は、購入予定のディスプレイが今使っているディスプレイアームのサイズと耐荷重以内かを確認しておきましょう。また、これからディスプレイアームを購入予定の人は、ディスプレイのサイズと重さを確認し、条件を満たしているディスプレイアームを購入するようにしましょう。
ディスプレイアームのメーカーとしては、少し値は張りますがエルゴトロンを使っておけば品質的に問題ないと思います。
解像度について
パソコン用のディスプレイはFullHDが主流ですが、最近はWQHDや4Kと言った高解像度の製品も出てきました。家電量販店に行くとテレビの主力はほとんど4Kになってきましたよね。
やっぱり少し値は張りますが、パソコンを使って作業する人やテレビのモニタとしても使いたいと言う人はWQHDや4Kの方が良いと思います。
ちなみに解像度は以下となっています。
通称 | 横 | 縦 |
FullHD | 1920 | 1080 |
WQHD | 2560 | 1440 |
4K | 3840 | 2160 |
8K | 7680 | 4320 |
8Kでけぇ・・・。
入力端子について
ディスプレイとPC・映像機器を接続する規格です。
ここは注意する必要があります。
一昔前まではDVIと言いう規格が主流でしたが、最近はHDMIやDisplayPortが普及してきました。一般的にはHDMIで事足りますが、拘る人はDisplayPort対応の機種を購入しましょう。
もちろんPC側もHDMIやDisplayPortに対応している必要があるので注意してください。
HDMIは2.0以上がおすすめ
映像だけでなく音声も1本のケーブルでOKです。ディスプレイにスピーカーが付いていればわざわざ音声用のケーブルを繋げる必要がありません。
特にこだわりが無く、とりあえず使えればよいと言う人はHDMIで繋げれば問題ありません。パソコンだけでなくDVDやブルーレイプレイヤーも繋げる事が出来ます。
ゲームをする人で、4Kディスプレイを使ってリフレッシュレートを60Hz以上にしたい人は、HDMI 2.0に対応した製品を購入しましょう。
DisplayPortは1.2以上がおすすめ
DVIの後継規格です。HDMIとは違い基本的には映像のみ対応しています。ただ、製品によっては独自に音声にも対応している製品があります。
ゲームをする人で4Kディスプレイを使ってリフレッシュレートを60Hz以上にしたい人は、DisplayPort 1.2に対応した製品を購入しましょう。また、G-SYNCやFreeSyncを利用したい場合もDisplayPortで接続しないと使えません。
コントラスト比について
画面内のもっとも明るい白い部分ともっとも暗い黒い部分の明るさの比。この比率が高ければ高いほど画面にメリハリが出ます。『パネルの種類』の項目でも触れましたが、パネルによってコントラスト比は異なりますし、拡張機能によりIPSでも高コントラストを実現している機種もあります。
個人的にはIPSの拡張機能を使って高コントラストを実現している機種が理想です。特に黒が引き締まっていると全体的に綺麗に見えるので、黒の発色に力を入れている製品は特におすすめです。
ただし、ここも好みの分かれる部分になるので、自分の目で確かめて好みの色合いをしている製品を探してください。私も使っていますがEIZOの製品はおすすめです。
リフレッシュレートについて
1秒間に何回描画するか?と言う指標です。パラパラ漫画を思い浮かべてもらうのが分かりやすいと思うのですが、同じストーリーでも60枚よりも120枚の作品の方がよりぬるぬる動いて見えますよね。リフレッシュレートも同じで、60Hzなら1秒間に60回、120Hzなら1秒間に120回描画している事になります。
リフレッシュレートが低いと、画面にちらつきやティアリングが発生しやすくなります。
応答速度について
画面の色が「黒>白>黒」と変化するのにかかる時間の事です。単位はms(ミリ秒:1msは1秒の1000分の1秒)」を使います。
例えば応答速度が5msの場合、「黒>白>黒」と変化するのに5msかかります。IPS方式だと早くて5ms程度、TN方式やVA方式で早いのだと1msとかもあります。
応答速度が速ければ速いほど残像感がなくなるため、よりくっきりした画質になります。
G-SYNCとFreeSyncについて
ゲーマー向けの機能です。ゲームをやらない人は全く要らないので無視してください。
G-SYNCはnVidia製でディスプレイに専用モジュールが組み込まれているため、値段が少し高いです。対してFreeSyncはAMD製でVESA規格の物になります。両方とも基本的な機能は同じで、PCとディスプレイ間で同期をとることで、かくつきやティアリングの発生を防いでくれます。仕組などの具体的な内容については長くなってしまうので、ネタに困ったら作ろうと思いますw
ここではとりあえず以下のことを覚えておいてもらえれば問題ありません。
- Gsync対応製品はちょっと割高。
- GsyncはGeForce、FreeSyncはRadeonのグラフィックボードしか使えない。
- DisplayPortで接続する必要がある。
- かくつきやティアリングを防げる。
表示色について
約1677万色をフルカラーといい、これより下が擬似フルカラーといいます。フルカラー以上で約10億7374万色表現できるディスプレイもありますが、基本的にはあまり気にしなくてもどれも同じように見えます。仕事や趣味で動画や画像を編集する人で、自然な色を求める人は約10億7374万色対応しているディスプレイを選べばOKです。
なお、約10億7374万色を表現するためには、ハードだけではなくソフトも対応している必要があります。
デザインとメーカーについて
これは完全に好み。個人的には狭ベゼルデザインが好きです。デュアルディスプレイにしているので、ベゼル幅は細いに越した事はないですね。
メーカーに関してはEIZOが1番画質がいいと思います。ほんと綺麗なので機会があればお店で見比べてみて欲しいです。ちょっと高いのが難点ですけどね・・・。
まとめ
今回まとめた機能以外にも、ブルーライトカットなど、メーカー毎にオリジナルの機能をつけている場合が多いです。今回は割りと一般的な機能についてまとめていますので、メーカーや商品ごとの機能については各紹介ページを参考にして下さい。
いずれにせよ、ディスプレイの価格はピンきりで、安くても大体1万円前後から、高いのだとウン十万する物まであります。
何をしたいのか?どういった環境で使うのか?などを決めてから、欲しい性能や機能をピックアップし、色味などを確認するために実物を見て決める。のが1番良いディスプレイの選び方だと思います。
買った後に後悔する事が無いように選んでいきたいですね!